同名の漫画が原作で、
社会的に大きな反響を呼んだ作品です。
こういう漫画もあるので、
漫画をバカにする人を私はバカにしています。
劇場入り口に映画のポスターが貼ってあったので
念の為に撮影しておきました。これです。
内容は、聴覚障害の圭子という子供が、
生まれてから中学校に上がるまでが背景です。
「背景」というのは、本当の内容は、
その障害児たちの悩み苦しみでなく、
障害児の家族の悩み苦しみを描いているからです。
専用施設に入ってからは、
同じ重複障害者とその家族たちも交えて
成長していく姿を描いています。
冒頭から数分間のシーンを見ていると
果たしてこの子供はどうなるんだろうか、
と何とも言えない気持ちになりました。
が、エンディングでは
ハッピーエンドとは言えないまでも
明るい希望を持って生きて行くんだな、
という結末になっています。
私のいとこにも一人、
先天的な知的障害者がいました。
年が近いこともあって私が子供の頃から
そういう人たちを見て来たので
あまり深刻な気分になったことはありませんでした。
(彼女は約5年前に亡くなりました)
大人になってからも
(こういう事を思うのは良くないかもしれませんが)
自分は健常者でよかったな、ありがたい事だ、とか、
自分の子供が障害者だったら・・・どうなるんだろう?
といった程度の気持ちとか認識しかありませんでした。
映画をみていると、やはりというか、
親は心身ともに疲れ果てるのがわかりますね。
さて、内容に戻りますと、
障害児を持つ親たちにターニングポイントが訪れる出来事が。
圭子ちゃんの友達で、
同じく障害児キヨシ君という男の子がいます。
キヨシの障害のせいで
父親が営む家業のパン屋も雲行きが怪しくなったり、
キヨシの姉も学校でいじめられ、
そのため毎朝、吐き気を催すようになり
とうとう登校拒否になってしまいます。
この場面を見て考えさせられました。
ろう学校の先生は、障害者の立場で考えるので
障害者専用施設に送り込むのを反対します。
「キヨシ君の仕草一つ一つが何かを母に訴えている」
「キヨシ君は今、家族を必要としている」
と。
しかし、
姉がキヨシのせいで虐められ、それが原因で
登校拒否になると言う事は、精神病の一歩手前。
おしっこ掛けられた石を触って喜ぶキヨシが家にいる、
即ち、その家で作ったパンは不衛生に違いない、
という風説、
そしてそれはパン屋の破綻につながる恐れがある。
キヨシ一人を思うあまり、
「他の家族を犠牲にする」
という一言で片付けられないほどの苦しみが
キヨシの家族全員にふりかかるのです。
ここで私は、多数決というと変ですが
公共の福祉のため=多数のためには
少数者の利益を損なう事になってもやむを得ない、
という民主主義の原則が思い浮かびました。
最後まで見ると、
キヨシを家で育ててよかったような結末になっていますが
家族、特に姉は本当に辛かっただろうと察します。
いったん母はキヨシを専用施設に入れようと決心しますが、
その時通っていたろう学校の先生から反対されてしまいます。
途方に暮れながらキヨシと家に帰る途中、
電車に飛び込み自殺をしようか、と母親が一瞬思います。
しかし、死のうかと思った瞬間、
キヨシがなぜ石を並べているのか?
ハッとそれが母にわかります。
そして施設に入れず、
家族全員一緒に強く生きていこうという気になったのでした。
(キヨシが石を並べる理由については、漫画か映画を見てください)
さて、その後もいろいろと紆余曲折あって、
障害者だけが働く施設「どんぐりの家」が完成し、
入所希望者もドンドン増え、更に大きくなります。
見逃せないのは、
そういう施設は国や自治体は造らない、
と当時は明言していたらしい事です。
そのため、
障害者の家族が各方面に協力をお願いして回り、
そして、協力してくれる人たちがいて
最初は古家を借りた「どんぐりの家」から始まります。
更に土地を持っている篤志家が土地を寄付し、
2億円もの募金が集まり、
最後は立派なRC造の建物になります。
寄付できるだけの心の余裕ある人は寄付し、
障害者の家族も政府に甘えるのではなく頑張る、
その姿に心を打たれます。
私も日本で教育を受け、
日本のシステムの中で育ち、
今まで私は
日本人としての恩恵は十分受けてきました。
だから日本国に対して
その恩返しをしなければなりません。
恩返しの方法としては、
毎年安くない税金を払っているので、
これ以上、国に何かするのでなく・・・
近いうちに、この映画のような
不運だけど、それに負けず頑張る人たち
を応援するような何かができたらと思いました。
単純に寄付でもいいし、
協力することで自分も「気持ちがいいな」と思える何か、
をしようと思います。
DVDは販売されてないようなので
ぜひ原作の漫画を読んでみてください。
涙腺の弱い人なら泣けます。
私は涙が出そうになったけど
グッとこらえましたが。
2013年2月9日土曜日
不連続の日本経済 若林栄四
為替予想の大家 若林栄四さんの最新刊。
何だかパッとしないタイトルですが、
著者を知っている人なら
本の題名など気にせず買うでしょうから
問題はないですよね。
著者を知らない人のために
まずは簡単にどんな人か紹介してみましょう。
昔、1995年の$=80円を的中させ、
今回は2009年頃だったかに、
「2012年2月に$=74円50銭で円高は終わり」
と予言した人です。
今回、結果的には74円台はつけませんでしたし、
ドル円の最安値は2011年10月の75円53銭でしたが
2012年1月末~2月の76円03銭から
相場は転換して急上昇していきました。
3月にいったん天井を打って
また低迷状態に入りましたが
9月末から急上昇して現在に至ります。
昨日終値は92円70銭なので
76円から計算すると16円70銭ほどの上昇、
率にして約22%の上昇率です。
振り返ってみれば、
やはり2012年2月が”転機”になった
というのは外れてはいない、と言えます。
3~4年前の110円台の頃に予想したのですから
1円は誤差の範囲と言えます。
著者の凄いところは、
「何年何月に何円」と、
日柄と値段の両方を予言することで、
これは他のアナリストにはできないことです。
神様ではないので
予想はたびたび外れますが
精度の凄さは世界一と言えるでしょう。
ところで、
「相場で儲けるには予想を的中させる必要などない」
という人もいます。
その意味は
「動いた方についていくだけだから」
(だから予想する必要がない)
とか、
株なら
「ファンダメンタルズの良い銘柄は上がるものだから」
などという理由でしょう。
が、予想が的中するなら、
その方が儲かるに決まってます。
相場の悪さに引っ張られて
好業績の株が上がらないのはよくあることで
良い銘柄だから上がるはず、だけでは
いつまで経っても儲けが出なかったりします。
伝説のファンドマネジャー
ピーターリンチ氏でさえ、
ポートフォリオの40%は失敗するそうです。
逆に銘柄選択はまずくても
買うタイミングがよければ儲かるのも相場です。
つまり日柄を予想できれば
大儲けできるのは間違いないところです。
また、為替はファンダメンタルズなど
ほとんど関係ない世界なので
長期のポジションを持つなら
予想を的中させないと儲からないでしょう。
チャートを見て短期取引に徹するなら
予想など必要ないかもしれませんが。
さて今回の新刊では予想項目は少なく、
一般投資家には却って良いでしょう。
ドル円、ユーロドル、ユーロ円、
米国株、日本株、日本国債、金
以上の見通しを述べています。
国債先物をやる人は少ないでしょうが
債券取引=金利取引ですから
一般人にも参考になると思います。
また、相場予想だけでなく、
相場の見方・読み方、
相場に対する際の態度や考え方など
重要なことを素人に教えてくれるのも著者の特徴です。
毎年利益を上げる個人投資家でも
納得する内容が多いと思います。
近年の作品では
生い立ちや東京銀行に入社してからの経歴を
面白おかしく書いており
ページ数を稼ぐためかもしれませんが
読み物としても面白くなっています。
この新刊に限らず、
相場をやる人、特にFX取引をやる人は
著者の代表作だけでも読む事をお奨めします。
なお、著者の予想手法はテクニカルですが、
近年、その使い方を少しづつ著作で披露し始めてます。
正直、本で少し齧った程度では
あの手法を使いこなすのは無理でしょうけども。
これは穿った見方としては、
「2013年以降、相場も経済もよくなって
自分の予想も予言も必要とされなくなるかも。
ならば秘法を公表してもいいだろう」
と考えたのか、
それとも
「編み出した手法を使える弟子を育てたい、
そのために広く一般人から候補者を発掘したい」
とか考えたのだろうか、などと下衆な勘ぐりをしてみましたw
なお、1か所だけ誤植を見つけました。(174ページ)
相場の本では数字の誤植は致命的ですが
今回見つけた誤植部分はグラフの目盛の数字で
誰が見ても何の間違いかがわかるので問題ないです。
ただし、誤植があったということ自体が
他の部分でも誤植があるかも、
という疑念を抱かせるので出版社には
細心の注意を持って出版してもらいたいものです。
何だかパッとしないタイトルですが、
著者を知っている人なら
本の題名など気にせず買うでしょうから
問題はないですよね。
著者を知らない人のために
まずは簡単にどんな人か紹介してみましょう。
昔、1995年の$=80円を的中させ、
今回は2009年頃だったかに、
「2012年2月に$=74円50銭で円高は終わり」
と予言した人です。
今回、結果的には74円台はつけませんでしたし、
ドル円の最安値は2011年10月の75円53銭でしたが
2012年1月末~2月の76円03銭から
相場は転換して急上昇していきました。
3月にいったん天井を打って
また低迷状態に入りましたが
9月末から急上昇して現在に至ります。
昨日終値は92円70銭なので
76円から計算すると16円70銭ほどの上昇、
率にして約22%の上昇率です。
振り返ってみれば、
やはり2012年2月が”転機”になった
というのは外れてはいない、と言えます。
3~4年前の110円台の頃に予想したのですから
1円は誤差の範囲と言えます。
著者の凄いところは、
「何年何月に何円」と、
日柄と値段の両方を予言することで、
これは他のアナリストにはできないことです。
神様ではないので
予想はたびたび外れますが
精度の凄さは世界一と言えるでしょう。
ところで、
「相場で儲けるには予想を的中させる必要などない」
という人もいます。
その意味は
「動いた方についていくだけだから」
(だから予想する必要がない)
とか、
株なら
「ファンダメンタルズの良い銘柄は上がるものだから」
などという理由でしょう。
が、予想が的中するなら、
その方が儲かるに決まってます。
相場の悪さに引っ張られて
好業績の株が上がらないのはよくあることで
良い銘柄だから上がるはず、だけでは
いつまで経っても儲けが出なかったりします。
伝説のファンドマネジャー
ピーターリンチ氏でさえ、
ポートフォリオの40%は失敗するそうです。
逆に銘柄選択はまずくても
買うタイミングがよければ儲かるのも相場です。
つまり日柄を予想できれば
大儲けできるのは間違いないところです。
また、為替はファンダメンタルズなど
ほとんど関係ない世界なので
長期のポジションを持つなら
予想を的中させないと儲からないでしょう。
チャートを見て短期取引に徹するなら
予想など必要ないかもしれませんが。
さて今回の新刊では予想項目は少なく、
一般投資家には却って良いでしょう。
ドル円、ユーロドル、ユーロ円、
米国株、日本株、日本国債、金
以上の見通しを述べています。
国債先物をやる人は少ないでしょうが
債券取引=金利取引ですから
一般人にも参考になると思います。
また、相場予想だけでなく、
相場の見方・読み方、
相場に対する際の態度や考え方など
重要なことを素人に教えてくれるのも著者の特徴です。
毎年利益を上げる個人投資家でも
納得する内容が多いと思います。
近年の作品では
生い立ちや東京銀行に入社してからの経歴を
面白おかしく書いており
ページ数を稼ぐためかもしれませんが
読み物としても面白くなっています。
この新刊に限らず、
相場をやる人、特にFX取引をやる人は
著者の代表作だけでも読む事をお奨めします。
なお、著者の予想手法はテクニカルですが、
近年、その使い方を少しづつ著作で披露し始めてます。
正直、本で少し齧った程度では
あの手法を使いこなすのは無理でしょうけども。
これは穿った見方としては、
「2013年以降、相場も経済もよくなって
自分の予想も予言も必要とされなくなるかも。
ならば秘法を公表してもいいだろう」
と考えたのか、
それとも
「編み出した手法を使える弟子を育てたい、
そのために広く一般人から候補者を発掘したい」
とか考えたのだろうか、などと下衆な勘ぐりをしてみましたw
なお、1か所だけ誤植を見つけました。(174ページ)
相場の本では数字の誤植は致命的ですが
今回見つけた誤植部分はグラフの目盛の数字で
誰が見ても何の間違いかがわかるので問題ないです。
ただし、誤植があったということ自体が
他の部分でも誤植があるかも、
という疑念を抱かせるので出版社には
細心の注意を持って出版してもらいたいものです。
2012年12月18日火曜日
誰も教えてくれなかった運とツキの法則 林野宏
著者はクレディセゾンの社長です。
私も一時、
クレディセゾンのクレジットカードを3枚持っていたので
何となく著者に対してなじみがあるという気がします。
当時の3枚のカードは全て解約してしまってますが
その後に1枚作ったのは今も保有中で、よく使ってます。
松本大さんが推薦していたのですが
その推薦文を読む限り、私には役に立たないと思い
推薦文をメモ帳に残して後は放置してました。
他に気になる本があった時にアマゾンのサイトで
ついでに見ると1円で売っていたので買いました。
(別途送料250円が必要ですが)
第一部 運とツキをつかむための大原則
第1章 勝運の引き寄せ方は「勝つ」にこだわること
第2章 「運とツキの法則」を知る
第3章 勝負に勝つための「人間力」を高める
第二部 運とツキと企業経営とマーケティング
第4章 究極の運とツキは「情熱」以外にない
第5章 成功を導くためには人材を育てる
第6章 運とツキをまねくリーダーシップとは
巻末付録 運とツキの法則 西田文郎さんに学ぶ
なぜ、推薦文を読む限り自分の役に立たない
と思ったか、その理由は以下の通り。
著者と松本大さんとは友達であり
著者が松本さんに本をプレゼントしたので
松本さんがメルマガ上で推薦した
という図式と感じたからです。
内容も
ビジネスマンが書いた運とツキの法則であり
私のような勝負師が書いたものではないので
一般人には当て嵌まっても私には無駄な部分が多いだろう
そう考えたからです。
それで期待せず読み始めたのですが
第1部の方は共感できる部分も多くありました。
また、私のような仕事にも当て嵌まる点も多いでしょう。
運とツキが自分に来てない時でも
チャンスで大勝負するために力を貯めておく
これなどは相場や博打には重要なポイントです。
第2部はビジネスマン向けなので
私は退屈さを感じましたが
ビジネスマン、サラリーマンとしてだけでなく
1人の人間として重要な事は多く書かれています。
ただ中年以降のビジネスマンなら
ほとんど誰もが理解していることでしょうから
アマゾンのレビューにもあった通り
若いビジネスマン向けの内容ですね。
ところで
日本の繁栄は精神力によるものだと私は思ってます。
精神論ではありません。
真面目で努力を惜しまない、
今よりもっと上を目指す、
仕事が終わるまで家に帰らない、
こういう心が技術や品質の向上につながり
他の国との大きな違いになっていると思います。
著者の言いたいことは、
これに相通ずると思います。
即ち、
成功する、
勝つ、
トップになる、
など、強く思い、信じること。
そして努力すること、考えること。
でもそれだけではダメで
勝負所で大きく勝負しなさい、
そのために勝負のカンを養いなさい、
そのためにはよく遊びなさい、
云々。
昔から多くの人が語られてきた事を
軽いタッチで解説したのが本書と言えるでしょう。
アジアの多くの貧乏国の人たちは
こう思ってます。
日本人は同じ東洋人なのに
なぜ何をやっても達者なのか?
なぜ唯一、白人と互角以上に渡りあえるのか?
世界大戦当時もそう、
敗戦で最貧国に落ちてからも這い上がり、
たった50~60年で世界一の金持ち国家になった。
日本以外のアジアと日本はどう違うのか?
日本人の多くが感じてない事かもしれませし、
発展途上国の庶民には理解できない事かもですが
私は「心」の違いだけだと思っています。
同じ人間、人種による能力差など殆どなく、
大きく差がつく要因は「心」だと。
恐らく、著者のような成功者も
同じように感じているだろうと思います。
つまり、
「心を強く持って、信念を持って、努力せよ」
著者が一番言いたいことはこれでしょう。
信念を持って努力を続けていれば
かならず運とツキが回ってくる、
そういうことです。
そして運とツキを見逃さないように
日ごろからどうすればいいか?
運とツキが回ってきたら
どうすればいいか?
これを平易な文章で書いたのが本書です。
著者は一流ビジネスマンですから
色々な経験をされ、色んな知己を得られてます。
そういう人は凄い人たちと交流があるので
自身の経験や考えだけでなく、
一流の知人からの情報や経験談などを聞いているはずで、
いろんなコツや例を挙げているのは
一流人たちの経験のエッセンスだと言えるでしょう。
あまりにも読みやすい文体なので
20歳前後の若者ビジネスマン向けという気がしますが
確かに良い事が書いてあるので
繰り返し読むと少しづつ心に沁み込んでいき
血となり肉となっていく、そんな性質の本かもしれません。
2011年5月18日のマネックスメール
「マネックス証券CEO 松本大のつぶやき」にて
著者と著書を絶賛しています。
興味ある方は参照してみてください。
私も一時、
クレディセゾンのクレジットカードを3枚持っていたので
何となく著者に対してなじみがあるという気がします。
当時の3枚のカードは全て解約してしまってますが
その後に1枚作ったのは今も保有中で、よく使ってます。
松本大さんが推薦していたのですが
その推薦文を読む限り、私には役に立たないと思い
推薦文をメモ帳に残して後は放置してました。
他に気になる本があった時にアマゾンのサイトで
ついでに見ると1円で売っていたので買いました。
(別途送料250円が必要ですが)
第一部 運とツキをつかむための大原則
第1章 勝運の引き寄せ方は「勝つ」にこだわること
第2章 「運とツキの法則」を知る
第3章 勝負に勝つための「人間力」を高める
第二部 運とツキと企業経営とマーケティング
第4章 究極の運とツキは「情熱」以外にない
第5章 成功を導くためには人材を育てる
第6章 運とツキをまねくリーダーシップとは
巻末付録 運とツキの法則 西田文郎さんに学ぶ
なぜ、推薦文を読む限り自分の役に立たない
と思ったか、その理由は以下の通り。
著者と松本大さんとは友達であり
著者が松本さんに本をプレゼントしたので
松本さんがメルマガ上で推薦した
という図式と感じたからです。
内容も
ビジネスマンが書いた運とツキの法則であり
私のような勝負師が書いたものではないので
一般人には当て嵌まっても私には無駄な部分が多いだろう
そう考えたからです。
それで期待せず読み始めたのですが
第1部の方は共感できる部分も多くありました。
また、私のような仕事にも当て嵌まる点も多いでしょう。
運とツキが自分に来てない時でも
チャンスで大勝負するために力を貯めておく
これなどは相場や博打には重要なポイントです。
第2部はビジネスマン向けなので
私は退屈さを感じましたが
ビジネスマン、サラリーマンとしてだけでなく
1人の人間として重要な事は多く書かれています。
ただ中年以降のビジネスマンなら
ほとんど誰もが理解していることでしょうから
アマゾンのレビューにもあった通り
若いビジネスマン向けの内容ですね。
ところで
日本の繁栄は精神力によるものだと私は思ってます。
精神論ではありません。
真面目で努力を惜しまない、
今よりもっと上を目指す、
仕事が終わるまで家に帰らない、
こういう心が技術や品質の向上につながり
他の国との大きな違いになっていると思います。
著者の言いたいことは、
これに相通ずると思います。
即ち、
成功する、
勝つ、
トップになる、
など、強く思い、信じること。
そして努力すること、考えること。
でもそれだけではダメで
勝負所で大きく勝負しなさい、
そのために勝負のカンを養いなさい、
そのためにはよく遊びなさい、
云々。
昔から多くの人が語られてきた事を
軽いタッチで解説したのが本書と言えるでしょう。
アジアの多くの貧乏国の人たちは
こう思ってます。
日本人は同じ東洋人なのに
なぜ何をやっても達者なのか?
なぜ唯一、白人と互角以上に渡りあえるのか?
世界大戦当時もそう、
敗戦で最貧国に落ちてからも這い上がり、
たった50~60年で世界一の金持ち国家になった。
日本以外のアジアと日本はどう違うのか?
日本人の多くが感じてない事かもしれませし、
発展途上国の庶民には理解できない事かもですが
私は「心」の違いだけだと思っています。
同じ人間、人種による能力差など殆どなく、
大きく差がつく要因は「心」だと。
恐らく、著者のような成功者も
同じように感じているだろうと思います。
つまり、
「心を強く持って、信念を持って、努力せよ」
著者が一番言いたいことはこれでしょう。
信念を持って努力を続けていれば
かならず運とツキが回ってくる、
そういうことです。
そして運とツキを見逃さないように
日ごろからどうすればいいか?
運とツキが回ってきたら
どうすればいいか?
これを平易な文章で書いたのが本書です。
著者は一流ビジネスマンですから
色々な経験をされ、色んな知己を得られてます。
そういう人は凄い人たちと交流があるので
自身の経験や考えだけでなく、
一流の知人からの情報や経験談などを聞いているはずで、
いろんなコツや例を挙げているのは
一流人たちの経験のエッセンスだと言えるでしょう。
あまりにも読みやすい文体なので
20歳前後の若者ビジネスマン向けという気がしますが
確かに良い事が書いてあるので
繰り返し読むと少しづつ心に沁み込んでいき
血となり肉となっていく、そんな性質の本かもしれません。
2011年5月18日のマネックスメール
「マネックス証券CEO 松本大のつぶやき」にて
著者と著書を絶賛しています。
興味ある方は参照してみてください。
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